新・平成霧崎遼樹の日記

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zoom RSS 「警部くずれ」シリーズ解説&どうでもいいバカボンパパの日

<<   作成日時 : 2012/05/15 23:35  

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 みなさま、5ヶ月ぶりのご無沙汰です。
 というのも、本来ならもっと早く出るはずだったのに、諸般の事情(要は作者の遅筆)でようやく昨年11月に刊行できた拙著「警部くずれ」が望外の好評を得て、刊行間もなく編集さんから続編を要求されまして。
 おかげでここ数ヶ月、新年の挨拶もせず、酒も(たまにしか)呑まず、新世界にも(2回しか)行かず、今年に入ってからは2月の「必殺仕事人2012」放送と、その前夜祭として仲間内で遊んだことだけを癒しに、あとはずっと原稿にかかりきりでした。(あとアニメ版「キルミーベイベー」がいい息抜きになりました)
 その甲斐あって、本当に(編集さんの)生命ぎりぎり勝負のデッドラインで原稿を仕上げ、なんとか今月2日に続編「警部くずれ 錆びた正義」をお送りできたわけです。

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 というわけで、せっかくですから今回は販促兼ねて「警部くずれ」シリーズの解説などやってみます。
 今後、時間の余裕あれば、遡って旧作の解説などもおいおいやっていきたいと思っています。
 まずはシリーズ各作品解説を。(といってもまだ2作のみですが)

「警部くずれ」
 獅子崎頼遠。185センチの長身、獅子を思わせる彫りの深い精悍な風貌の男。
 幼い頃から古流武術を学び、独自の身体操作術と明晰な思考力を会得していた彼は、己の生き様を求めて警視庁ノンキャリア警察官の道を選ぶ。やがて刑事として頭角を現し、若干三十歳にして警部の座についた、まさしくノンキャリアの星だった。
 だが一年前、捜査の最中、単身で犯罪組織と銃撃戦を行うこととなり、首領格の男、椿一弥を射殺、他数名を死に至らしめたことで責任を取って辞職。一年ほど海外を放浪した後、帰国して私立探偵を開業した。
 その事務所に、かつて獅子崎と男女の関係にあった若き警察キャリアの美女、秋藤春香か現れる。
 彼女の依頼は、獅子崎が射殺した男、椿が握っていた、警察組織を揺るがす秘密を調査することだった。
 かつて椿を裏切って情報を提供した内縁の妻、陣内美咲と幼子の咲太郎を訪ねる獅子崎だったが、その周囲に正体不明の敵、さらに暗い過去を持つ謎めいた少年、摩耶鴻一郎の影がよぎる。
 果たして獅子崎は罪なき母子を守り、警察の暗部に纏わる謎を暴くことができるのか……?

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「警部くずれ 錆びた正義」
 かつては警視庁に所属し、齢三十にして警部に昇任した優秀なノンキャリア警官だったが、さる事情で辞職し、いまは麻布暗闇坂下にてしがない私立探偵を務める男、獅子崎頼遠。
 ある日、その事務所を訪ねた会社社長から、銃撃への対策を指南してほしいと妙な相談を持ちかけられる。要領を得ない話だったため適当にあしらった獅子崎だが、その直後、当の社長が実際に銃撃を受ける。
 事態への不審と責任感から、自ら社長の元を訪れて調査に乗り出した獅子崎は、やがて刑事時代の旧知で武骨な元女刑事、海道尚と再会し、現在も未解決ながら冤罪の疑いが濃い「鹿間事件」に行き当たる。
 一方、摩耶鴻一郎は「鹿間事件」によって両親を失い、重い十字架を背負わされた少年、雪希也、そして姉の早織と出会い、二人の情報から、事件が警察の捜査ミスによる冤罪であることを確信。未成年の立場を利用した非常手段で真相を追う。獅子崎と鴻一郎、別々の方向から事件を追う二人の交差の果ては? そして彼らは己の役割を果たし、真相を暴いて闇に潜む悪を裁くことができるのか?

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 さて、本作の前シリーズで、私にとっては一般小説の初シリーズにもなった「警視庁死番係」は、一般向け警察小説を書いてみないか、という編集さんからのお誘いと、私の本格ミステリ志向を融合して、警視庁捜査一課の殺人班を題材に、ホームズ&ワトソン的な要素も交えた警察推理小説として仕上げたものでした。
 書いてみてあらためて実感したのですが、警察ものというのは、公権力や組織力、科学捜査などを駆使して、一個人の名探偵には不可能なことが多々できる反面、当然ながら法律や組織のルールに則らねばならないため、羽目を外しにくい部分もあります。(もちろんユーモアミステリや劇画的アクションと割り切って、とことん非現実的な世界に徹するのもひとつの手ですが)

 そこで、やや渋めの作風になった「死番係」とは別シリーズを打ち出すにあたり「警察小説には向かない物語」をフォローする狙いもあって、基本は同じミステリながら、現実に成り立つギリギリの範疇でヒロイックな主人公を起用し、かつて「シャドウ・リンカーズ」で描いた古武術&大殺陣アクションも導入。また警察ものの要素も交えつつ、今回は警察を斜めから見て、警察にはできない手法で事件を追い、悪を裁く現代版必殺テイストも盛りこんだ、大人のキャラクター小説ともいうべき小気味いい娯楽作を狙いました。

 で、主人公は、まず読んでいて楽しい軽妙さと格好良さを兼ね備えたキャラクターとして、作者自身、書いていて苦笑してしまうほど、思い切り頭も切れて腕も立って陽気で男前な完璧超人を考えてゆきました。
 もちろんただひたすら軽妙で格好いいだけの主人公では物語が薄っぺらくなるので、軽さの奥に乾いた心を抱えている、という人物像で、あとはやはり警察ものをという要請ながら、前作とはテイストを変えて主人公を自由な立場にしたいこともあり、訳ありで辞職した元エリート刑事、現在でもある程度、警察に顔の利く私立探偵という設定で人物像とプロットを固めました。
 そして生まれたのが、警部くずれの私立探偵、獅子崎頼遠という男なわけです。
 今回は劇画的なテイストを狙って、あえてネーミングにもケレンを効かせてみました。何度か書いていますか、キャラクター像として意識したのは「探偵物語」の工藤ちゃんや初期ルパン三世、または「必殺仕事人20XX」シリーズで松岡アニキ演じる経師屋の涼次というところですね。
 で、一般向け娯楽小説ということもあり、初期設定ではもっと男の欲望を前面に出したキャラクターにするつもりでしたが、書いてみると見かけによらず案外ストイックな男になっていました。なぜだ。(苦笑)

 で、周辺人物にも、ひと癖もふた癖もある人物を用意しました。
 秋藤春香さんは、警察内における獅子崎の協力者ですが、ただ単に獅子崎の味方をする便利キャラでもない、したたかな女として考えています。
 現時点では一作目に登場したきり、二作目ではプロットの都合上ほとんど登場していないので、この場であまりキャラクターを語るのもなんなのですが、獅子崎とは単なる恋人同士ではない、お互いに一筋縄ではいかない腹の底を熟知した上でつきあっている、緊張感ある関係にしたいと思っています。例えるなら峰不二子に故・官房長や片山雛子先生を交えたようなポジションでしょうか。
 ちなみに獅子崎の仲間として登場する澤口所長とひでぶ探偵は、実在する作者の友人がモデルです。

 さて、意外にもというか案の定というか、読者さんから反響の大きかったのが、摩耶鴻一郎という少年です。
 実はこの少年、元々はかつて某所で書いていた中高生向け小説において、主人公のライバル役に想定していた人物でした。(その某所が中高生を甘く見て短編しか書かせない、担当者が漫画ばかりでろくに小説を知らないなど、編集方針の不味さから崩壊したことは、これまでも何度か書きましたが)
 性格づけなどは作風に合わせて調整していますが、基本設定は現在とほぼ同じで、少年法をも利用して非常手段で事件を解決する仕事人的な未成年探偵として、折あれば生かしたく思っていたキャラクターです。
 そして今回、獅子崎の人物像が仕上がるにつれ、獅子崎と通底する面と、対照的な面を備えた人物として、また一作目の作劇上、獅子崎とは別に「名探偵」が必要だったこともあり、晴れて初登板となりました。
 特に第2作「錆びた正義」では彼のキャラクターを確立させるため、獅子崎とは別の角度から事件を追う一方の主役においてみました。内面に似たものを秘めながら、それなりの年齢を重ね、刑事として世慣れたことで世の理不尽を(表面的には)軽くいなせる獅子崎に対し、明晰な反面、歳相応の純粋さゆえの危うさもある鴻一郎の対比は、作者もうまくいったと思ってます。いうなれば獅子崎が若めで男前の中村主水だとすれば、鴻一郎は市松か、切れすぎる飾り職の秀といった役どころでしょうか。
 まあ「警部くずれ」シリーズの主役はあくまで獅子崎なので、今後はプロット次第で準主役として活躍することもあれば、ほとんど出ないこともあると思います。ただ、警察組織に所属する「死番係」では描けない物語を描くため“警部くずれ”獅子崎頼遠が誕生したように、警察があまり絡まない古典風の本格ミステリや日常ミステリなどの探偵役として、いずれ彼主役のシリーズもやってみたいと思っています。


 で、話代わって本日は、とうとう私がバカボンパパの春な年齢になった日でもあります。(失笑)
 というわけで、せっかくなのでここ最近の近況話でも、と思ったのですが、そろそろタイムアップなので、その話はまた稿をあらためるとします。では、また次の機会にお会いしましょう。

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